木製1人掛けソファの修理&張替え
-
丸い柔らかな曲線のひじ掛けが特徴的な一人掛けソファ。木部のみだとかなり軽量で、座部がひじ掛け部分と合体することでしっかりとした構造に設計されています。
経年による構造部の緩みが激しく、一度解体し、組み直していきます。 -
前から見た図。構造は、必要最低限の部材のみで作られ、全体的に曲線の入ったデザインで触れるにも、見た目にも優しい感じがわかります。
-
近づくと、接合部の緩みがわかります。
-
解体した図。この状態で、部材一つずつ綺麗にして、組み直す下準備をします。
抜いたホゾやほぞ穴の中に詰まった古い接着剤を手作業で取り除いていきます。 -
糊をたっぷり入れ組み直します。この状態で糊が硬化するまで24時間以上放置します。
-
上から見るとこんな形。糊が固まる前に歪みやおかしなところがないかチェックし、正しい位置で動かさないように放置します。
-
金属製のスプリングと藁と麻布。もともとの座面はこの様な構造になっていました。
-
木部を、9割張りあがった座部と組み立て、最終的な張り込みをしていきます。
-
修理完了です。座面の角度が結構斜めになっていて、深くすわるとリラックスできそうです。
-
後ろはこのようなデザイン。
-
これからも長く、心地よくお使いいただけますように。
木のアームが緩やかな曲線を描き、柔らかな印象の1人掛けソファ。製造年はかなり昔と思われます。生地の張替えで中を開くと、スプリングと藁、麻布が出て来ました。現代では、ウレタンクッションといってウレタンフォームから出来た人工物が使用されていますが、このように古いモノに触れると、時代と共に変化してきた職人の試行錯誤の成果が感じられます。スプリングの代わりにベルト、その上にウレタンクッションを張り、椅子の形状に合わせて縫製した生地で包むと修理完了です。