オールドイケア パイン集成材ダイニングテーブル リサイズ&全剥離再塗装
リメイク前
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今回ご依頼いただきましたのは、このダイニングテーブルのカット、そして劣化した塗装の全剥離再塗装です。
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しっかりとしたパイン集成材の天板と、無垢パーツ。昔お客様がイケアで購入された、いわゆるオールドイケアの家具です。
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天板の塗装はかなり荒れてしまっており、木口面から集成材の接ぎ目に沿って割れてきている箇所があります。
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状態が酷い箇所を端から希望寸法を切り詰めます。
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長く使われてきたこともあり、太陽光にされされていない箇所との経年の色味がはっきり出ている部分もあります。
また脚部は椅子の出し入れにより、深い擦り傷がついています。可能な限り切削をして傷を落とします。 -
左右の出っ張りはテーブルの構造体である、貫部分です。上から楔を打ち込んであり固定している丁寧な造りです。
サイズダウンに伴い、天板が短くなるため、見え方のバランスを考慮して貫の端も少し切り詰めます。 -
パイン材は非常に柔らかい材料なので、塗料と一緒にベルトサンダーで一気に削り落とします。無論、切削痕の段差に十分に注意します。
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劣化による白い染みなどもすっかりと除去され、当て傷もほとんど残らないほど綺麗に剥離ができました。
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切り詰めるために、機械で裁断した部分はオリジナル通りにアール加工を施します。ルーターを使用して荒削りをした後、仕上げサンダーからスポンジを巻いたペーパー、最後は手のサンディングで手触りを確認しながら成形していきます。
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針葉樹たるパイン材は、繊維が真っすぐなため割れが発生しやすく、ところどころパーツには亀裂がありました。そういった箇所を補修して下地を整えたら、塗装の作業に入ります。
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除去しきれなかった傷の箇所は塗料が入ると黒く濃くなってしまいます。かといって着色でごまかすと木目の雰囲気を著しく損なってしまいます。今回は仕上がりの自然さを優先して、オリジナル通りのウレタンクリア仕上げでフィニッシュです。
リメイク後
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作業前と比較して、かなり明るい印象になりました。
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サンディング剥離のみのクリア仕上げで、ここまで綺麗になります。
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カットした側の木口です。反対側と同じようにR処理を行っています。大胆な丸みを出すのにかなり苦労しました。
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木口面から木端面のつながりも何とか違和感なくいきました。
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脚の収まりも天板のカットに合わせてセットバックしてます。
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カットした木口も馴染みました。
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パイン材のテーブルもこれだけ大きくしっかりした物だと作業もなかなか作業が大変でしたが、ここまで綺麗に雰囲気が変わった様を見ると達成感がありました。
メーカー家具のオールドシリーズは材料も仕様も良質な物が多い気がします。そうした家具が大切に受け継がれていくためにも、リメイクや修理をして使い続ける良さを改めて感じました。お客様も見違えるような綺麗さに、大変お喜びのお声を頂きました。