Remake壁付TVボードキャビネット リサイズ&リメイク

リメイク前

  • 今回、お客様が15年以上ほど前に大工さんに造作取り付けしてもらった、リビング壁付けのTVボードキャビネットのリサイズとリメイクのご依頼を頂きました。

  • 全長幅をそのままに、左右の収納部分をシンメトリーに整えるため左側セクションをリサイズを行います。更に切り詰めた分を中央セクションのリメイクという形で新たに収納構造を追加します。それに伴い、既存天板も新規交換します。

  • お客様のご自宅にて家具の取り外し及び搬出の作業に入ります。フローリングのレベルによる設置面の隙間や構造の取付や設置状態など、納品設置の事を考慮して様々な要素を確認しながら取り外しを行います。構造から取付まで、ほぼ全てがビスとネイル留めで固定されていた為、スムーズに取り外しができました。

  • 工房へ持ち帰り、解体の作業に入ります。各セクションで寸法に違いがあったり状態が違うため、間違いがないように分別します。解体時にダメージや劣化の状態なども確認します。

  • 中央セクションの加工や設置位置の兼ね合いにより、奥行きも少々カットします。抽斗や扉以外は硬質なメラミン板が貼り付けられているため、カット時の衝撃で欠けたり大きく剥がれたりするリスクがあるので、浮きは留めて、かつ刃はゆっくり切断します。加えて引出もサイズ加工と一部接合部の補強加工を行います。

  • 全ての部材を切り詰めたらいよいよ仮組です。元の状態に様に接着剤も使用しないビス留めだけでは長期の使用において強度に大きな問題があります。また板材がパーティクルボードで厚みも大きくない為、ホゾ加工専用ツールでチップ接合を作ります。

  • まずは左右セクションを完成させます。収納箱が合計4つあるので圧着締めが終わったらビス留めで合体させます。

  • 手前がサイズダウンをした左セクションです。各箱を同じセクション同士につなげていきます。
    既存のビス穴は効きが悪くなっていたり内部破損や穴が緩くなっていたりなど不具合があるため、下穴処理からビスを打ち込んで固定します。

  • 続いて中央セクションを組み上げていきます。中央の抽斗収納部以外の左右側板と底板は合板を新規作成したものになります。そして、その左右には新規の扉が取り付けられ、更に収納が増えます。

  • 新規の扉はオークの突板合板に無垢材オークの装飾を取り付けます。扉は既存の扉に雰囲気を合わせて塗装を行います。

  • 新規合板天板を塗装後、同時進行ですべての箱に背板、扉、そして新規作成した幕板と、着々と取付を行っていきます。

  • こちらは1枚目の写真の一番左の扉をサイズダウンしたものです。抽斗の前板も同様に切り詰めて、塗装して体裁を整えました。箱が形になったら最後の調整です。
    抽斗の調整を行い、扉の蝶番を取り付けと開閉調整。そして棚板を取り付けます。あとは小傷や汚れ、手直しはないかなど、細かに全体チェックに入ります。
    あとは配送納品に向けて道具の準備と積み込みです。

リメイク後

  • お客様のご自宅での設置作業です。無垢材フローリングの為、床のレベルに凹凸があり設置位置が安定しません。隙間にパッキンを挟みながら家具の前後のバランスを調整し、正面の並びがちょうどよい部分で各セクションの側板同士を固定します。

  • 箱全体を組み立て終わり設置位置が決定したら、元通りに壁付け部分をシールで最終固定します。シールの処理にはとにかく繊細に行い、拭き残しや粗さが目立たないように丁寧にゆっくりと施工します。

  • こちらが今回切り詰めた左セクションです。

  • 中央セクションは切り詰めた左セクション分と既存にあった左右の隠れた空間分、収納スペースが大幅に増え、更に天板正面がオリジナルのような前に丸みが飛び出した物を取り換えて、フラットになったことでスッキリとした印象になりました。

  • 扉のつまみも雰囲気に合ったものを選びました。

  • ビフォーの正面写真と比較するとかなり広くなりましたね。

  • ほぼ半日、お客様にお時間を頂戴しての現場取付納品となりました。
    収まり具合も、大きな隙間もトラブルもなく完了することができました。

今回はお客様の部屋の壁に現場取付された造作家具を現場解体しての引き取りという内容からのスタートでした。当初は壁面部への破損の影響などをいろいろ憂慮しておりましたが、ビスとシールだけの取付のみで解体搬出作業は問題はありませんでした。
しかし実際に持ち帰ってみると、全ての部材の寸法、接合方法、材料などに個々でかなりのばらつきがあり、特に材料の寸法の違いには裁断においては何度も微調整を繰り返しました。
メラミン板も剥がれや欠けも多く、再圧着を全体的に行いました。
更に可能な限り寸法を整えての組み立てだったので、納品時での設置で大きなズレや隙間が起きないか、かなり不安材料がありましたが前述した通り杞憂であったことは本当に良かった思います。
お客様もご夫婦揃ってお喜びのお声を頂き、早速テレビの設置のお手伝いをさせて頂きました。施工中のそういったトラブルもあり、作業も難航してしまったことで少し予定納期を過ぎてしまいましたが、お客様も快諾を下さり、無事納品まで終えることができました。
こうした施工もしっかりとご相談させて頂いた上で、承ります。