座卓和テーブル 脚伸長リメイク
リメイク前
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今回はこちらのアンティーク座卓のリメイクと修理のご依頼です。
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全てが無垢の欅材を使用した贅沢な造り。しかし組まれた框と中央の鏡板の間に隙間が無い状態で仕上げられていた為、木材の伸縮による動きにより框に接する四辺が割れるように隙間ができてしまった上、鏡板も歪みや亀裂が入っている状態でした。
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補修の痕もところどころ見られますが、全体に歪みが酷い為に完璧に修復するのは難しい為、大きな溝の割れは埋木処理、細かい割れは接着やパテ処理などで対処していきます。
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裏側にも反り留めのような材が組まれていましたが、天板の強い動きは抑えきれなかったようです。
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この脚先に追加で同じ欅材を取り付けて、伸長します。
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まずは天板の隙間や歪みをクランプで矯正、圧着を行います。框の四つ角、鏡板の浮きなど、可能な限りフラットな状態に戻します。
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特に鏡板の浮きが酷い長手部分は、裏側に補強材も兼ねて圧着します。
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更に裏側の留め部分にチギリを埋め込み、接合部に強度を出します。
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さて製材した欅材を希望寸法に切断したら、まずは穴あけの作業に入ります。
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中心にボルトを通して固定するので、深さを見ながらボール盤で穴を開けます。
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脚先に取付位置を見ながら仮留めし、鉋でオリジナルの脚先と同じ太さに調整して削っていきます。
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厚みが決まったら、ルーターで上下に丸みを出していきます。
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一方、天板は再塗装するので剥離をしておきます。
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埋木をする箇所の溝を掘り込み、材料を嵌めて圧着したのち、鉋で切削します。
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脚が完成したので、あとは塗装をしてきます。
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オリジナルの色味と何度も自然光で確認しながら着色をしていきます。
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天板も埋木と一緒に全体をサンディングを行い、パテをタッチアップしながら全体の色味に統一感を持たせつつ仕上げていきます。
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欅の質感がとても綺麗で贅沢ですね。
リメイク後
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こうして無事仕上がりました。
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一見シンプルな伸長部材ですが、雰囲気は違和感がなく仕上がったかと思います。
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高さがもとより大分高くなり、ソファ使いにもぴったりですね。
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ボロボロだった天板も欅の杢目が全体に美しい模様として輝いています。
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亀裂や欠損、埋木の溝もうまくまとまりました。
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光沢の具合も高すぎないくらいの落ち着きある仕上がりにしています。
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天板と脚の接合面もまた歪みが大きかったため、ビス留め箇所を増やして、なるべく寄せています。
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こうして無事、形になりました。最後は足裏にフェルトを足裏の形状にカットして張り付けします。納品時、お客様には大変お喜びのお言葉を頂きました。
座卓も高さによって使用感も大きく変わります。
また、使用されている材料や仕上がりによって、家具の経年の状態も様々です。
リメイクや修理にお悩みの際は、是非ともご相談ください。