
今回の修理はデザイナーズ家具で有名なウェグナーのソファ、GE290の1Pソファです。お客様が勢いよく腰を掛けた際に、背もたれからアーム、後ろ脚にかけて各パーツが大破してしまった状態でした。

解体済みの状態です。
壊れたホゾやダボ以外は、裂けて違う部材にくっついたままの物を含めて全て使いまわすので、根気よく接着剤を溶かしながら薄いヘラで接合部から剥がしていきます。

破断したアームの根元です。

反対側です。

こちらは後ろ脚の背側です。真ん中の折れたホゾが先程のアームの根元にあたります。

こちらは脚部と背板の左右あたる接合部分です。腰を掛けた時の全荷重がかかると考えても良い重要な箇所です。一番破断が酷かった箇所です。

こちらは前脚の横貫です。折れたダボには、座面の幕板が接合できる構造です。

二つ前の写真に入る背板の左右の部材です。本来は広いホゾが見えるのですが、今では尖った欠片しか見えません。

幸い、全て解体してパーツの除去と再利用が叶いましたので割れの圧着や埋木処理から入ります。

ホゾが破断した箇所はドミノチップで対応します。

ほぼ同じ大きさのもので締め作業をしてアームは接合します。

前脚です。解体した箇所はそのまま締め直しです。

折れたダボを打ち直します。

それぞれ準備が整ったら締めの作業です。

可能な限り締め作業は分散して行い、一気には行いません。先にパーツごとに締めを行い、最後に重要な締め作業で終えます。

アームの前後の締めです。

こちらは座面の左右の幕板です。ダボ加工をした箇所です。

無事、締め作業が終わりました。

アームの面のみ剥離塗装を行い、全体の塗装のやつれはメンテナンス程度に磨きます。

終了です。


アームはオイル磨き仕上げです。

無事に接着がされています。

すっかり形を取り戻しました。





アームの接合も元通りです。



大破したデザイナーズ家具の修理は非常にリスクが高い場合があります。特にビンテージなど廃番のアイテムだと材料や塗装の仕上げには風合いの変化に大きな違いが出てしまったりします。今回の物は幸い、全ての部材を活かしての修理が出来たのと、内容をお客様には事前に留意事項をご了承いただいての施工となりました。
また使用できるだけの強度には回復させることができましたが、再度同じように強い荷重が瞬間的にかかれば破損のリスクは高まります。何気なく普段使用されているチェアやソファ、違和感などを感じたときには是非定期的なチェックをお勧め致します。
修理の御依頼にお悩みの際には是非とも弊社にご相談くださいませ。