英国アンティークダイニングチェア 剥離再塗装・締め直し・座面張替え
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英国アンティークのダイニングチェア、剥離塗装・締め直し・座面張替えのご依頼です。
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生地やクッションがヘタれて、フレームの輪郭が見えてきてます。
そして、木部全体の塗装が劣化で落ちてきています。
次いで脚の接合部である、ダボも負荷で折れてしまっており、強度がなくなってしまっていました。 -
アンティーク家具はこのように単純な構造で作られている物が多く、構造材そのものが折れて破損しない限り、何度も修理しやすいように作られているケースが多いです。
折れたダボは切り取り、元穴にズレが出ないように再度ピンポイントにドリルで穴を開け直します。
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ちなみに、この前脚は一本の木材を旋盤加工という機械で回転させて丸い彫刻を施して形を作っています。
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新たにダボを元穴に入れ直します。
先述したように、ズレて穴を加工してしまうとダボが緩かったり、うまく締まらなかったりと、強度が最大限まで出せない場合があります。 -
全て塗装を剥がします。
彫刻の部分も、形を崩さないように繊細に落とします。 -
再塗装が終わりました。
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そして座面も新しくなりました。
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これで完成です。
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フルリペアのご依頼でした。
構造がシンプルな家具は調子が悪くなったらその都度、正しい方法で修理を行うことが長持ちの秘訣だと思います。
現存するアンティーク家具は、過去の災害や戦争などでどんどん個体が減ってきているといわれます。
特に、昔の家具に使われる材料は質の高いものが多く使われていました。
昔の人達が思う、家具を後世に受け継ぎ使い続けることの重要さを改めて考えさせられます。