Repairダイニングセットのテーブル再塗装&椅子張替えと部分補修

  • 四人掛けのダイニングセット。20年から30年前に作られたものだと思われます。
    椅子は全体的に緩んでいて、今回の修理内容としては、そのぐらつきを直し、座面の張替え&アーム部分の塗装の剥がれを綺麗にしていきます。

  • テーブルは、ご覧の通りまだらに塗料が剥がれた状態でしたので、一度全て剥がしてから塗り替えることになりました。
    この様に塗装が剥がれてしまう原因としては、一番は経年による劣化ですが、日の当たる場所に置かれていたことで、紫外線で塗膜が脆くなる場合もあります。

  • まずは椅子からばらしていきます。
    四脚あれば、それぞれの椅子ごとに部材が混ざらないようにします。同じ部材に見えても、もとの部材同士くっ付けることでぴったり嵌まってくるので見えない部分に番号を振ります。

  • 外した状態をみて、おかしなところが無ければ、糊をいれて接着していきます。ものによっては中でダボが折れていたり、部材に割れが生じている場合があるためです。
    その場合には、折れたダボを打ち直したり、適切な修理をします。

  • アーム部分は、古い塗料を落とす剥離作業からはいります。剥離剤を使用し、木にしみ込んだ塗料を浮かせ、シンナーで丁寧に洗っていきます。次に、表面の木肌をサンディングし、滑らかに仕上げます。

  • 色を塗っていきます。色は家具ごとに調色しています。今回はテーブルも塗り替えがあるのでテーブル分の塗料も用意します。

  • テーブルに一か所剥ぎが切れた箇所がありましたので、裏面からちぎりを埋め込みました。

  • ちぎり加工が終わったあとで、表面を削っていきます。天板は平面の面積が広いので、かたよって削らないように、一定の時間、動かし方で整えていきます。

  • 着色が済むと、下地塗装をします。細かなやすりで表面を整え、さらにトップコートを吹き付けて仕上げます。

  • 塗膜が乾くと、最終チェックし、張り替えた座面を取り付けます。

  • 修理完了です。

使い慣れた家具が傷んできた時、「買い替え」か「修理」どちらにしようかと悩まれるでしょう。
新しく購入した方が安く済む場合も、愛着のある家具を修理して使われる方が多い印象です。というのも、20年30年経ってきますと、同じ型の家具がもう作られていないことがあります。

無垢材の家具は、ある程度表面を削っていくと、傷も消えて塗り直すことによって新品のように蘇ります。今回の修理は、椅子のぐらつき直しに加えてアーム部の再塗装。そしてテーブルのひび割れ修理と再塗装でした。椅子は一度全てバラせるところは外します。そして糊を入れて順に組み直します。アームは、4脚分合わせて剥離剤をかけ、古い塗料を取り除いた後、紙やすりで綺麗に整えていきます。テーブルも同様に剥離剤、サンディングで木肌を綺麗にします。
古い塗料を剥がすと、木の色が本来のナチュラル色に変わり、粉を飛ばすと、割れや傷がはっきりと見えてきます。天板の端(小口方向)に剥ぎ切れの割れがありましたので、目立たない裏面からちぎり加工を施しました。木肌の細かい傷などないか最終チェックし、全ての木部修理が終われば、着色します。修理しない部分のオリジナルカラーを見本にして調色します。色が整えばいよいよスプレー塗装に入ります。下塗り、サンディング、トップコート。それぞれの工程を手作業で丁寧に行います。