一世紀は経過しているであろう、アンティークのカフェテーブルセット。椅子は肘掛けのぐらつき、座面の痛み、テーブルは脚が緩み斜めになって、一部象嵌が欠損しておりました。
象嵌の装飾が細かく施されていて、しなやかな曲線と直線が入り混ったとても美しいフォルムです。
同じ型は既に製造されていないと思われます。修理方法をじっくりと考えた上で作業を開始します。
チェアは、まず肘掛け部分は組み直ししっかりと接着します。
糊が固まれば、塗装の下地作り。サンディングし木肌を整えます。着色、塗装を施したら、座面を支えるベルトをしっかりと張り直し、新しく張替えます。
テーブルは、まず天板を外し、古い塗装を剥離。脚部は元の位置に組み直して、接着固定します。
天板の象嵌欠損箇所は、色の違う木を埋め込んでいきます。
仕上げ前の木肌調整が終わると、ヴァイオリンの塗装にも使用されているシェラックニスを塗っていきます。アンティーク、ヴィンテージなど古い家具の修復は、なるべく製造された方法と同じ様に仕上げます。スリーバーズでは、この先も長くお使いいただけますよう、一度修理して終わりではなく先のことも考え、いつか再び修理が必要になった時にも修理しやすい方法を採用しております。