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鏡台(修理後)

前回の鏡台修理が終了し、先日納品してきました。

木肌に付着した黒ずんだ汚れが落ちきるかが不安ではありましたが
ほぼ綺麗になり一安心です。

材料の表層材は突き板という薄い木のシートが貼られているものでした。

この突き板というものは、ヤスリ掛けをし過ぎると剥がれてしまうので
作業には細心の注意が必要です。

今回は汚れが結構しつこく残りそうな雰囲気でしたので
まずシンナーとスチールウールでゴシゴシ洗い、
基本機械は使わず手ヤスリでもっていきました。

汚れやシミが残っているからと言ってtoo muchは禁物。
’良い加減’のところで立ち止まるのも勇気です。

黒柿の木目の表情が綺麗です。

ヤスリ掛けで思い出しましたが、このサンディング(ヤスリ掛け)と言う作業、
実はかなり奥が深いんです。

昔働いていた北欧ヴィンテージ家具を扱うお店ではチークの突き板材が多く、
仕事内容はひたすら塗膜の剥離→サンディングの工程を繰り返す
(勿論それだけではありませんが)作業がメインでした。

突き板は薄いので当時はそこまで気にはしなかったのですが、
現在はむしろ無垢材の仕事の割合が増えた為、
木目の方向やヤスリの番手などなど気にせざるを得なくなりました。

木には木目の方向に順目と逆目というものがあり、
基本的には順目に沿ってサンディングするものですが、
順目と逆目は材料の中で複雑に入り組んでいる為
それをしっかりと見極めた上でサンディングしないと
毛羽立ちやサンディング不良の原因になります。

まだまだ会心の一撃的なサンディング面を得られるには道は長いですが
あれやこれやと頭を使いながら作業してマス。

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