修理事例

REPAIR

ライティングビューロー 脚部底板/抽斗底板交換 修理

今回はこちらのビューローの劣化破損部の交換及び、構造修理です。

お客様の事務所で使用されている物ですが、大雨による浸水で脚部から抽斗下段にかけて浸かってしまい、合板部が傷んで劣化破損しています。

寝かせて状態を確認します。釘留めされた脚部を外し、抽斗収納の最下段部にあたる本体の底板です。水に浸かった為、ベニヤ板がふやけてしまいボロボロです。こちらも底板を外します。そして代わりに無垢材で框構造を作ります。

こちらは台座兼脚部です。框に組まれたフレームに隅木で補強され、バンフフットと呼ばれるハンバーグのような平たい丸い脚が4つ角についています。こちらはグラつきを開いて締め直しです。

底板はフラッシュ合板でした。

背板や左右側の合板の木口面が湿気を吸って剥がれてきています。

浮きは接着して、欠損部はパテ埋めをしてタッチアップします。

これが解体前の底板です。右下に小さく見えるのがバンフットです。

本体の構造はシンプルです。

左右の側板の欠きこみに底板構造が入り、更にその下に脚部が取り付けられます。崩れたベニヤ板は接着剤が付いていた為、可能な限り欠きこみ部分に欠損が生じないように綺麗に剥がします。

抽斗の底板はカビなどの汚れが付着していたので交換します。全体的にクリーニングです。

次いで、湿気で前板の突板も大きく接着が剥がれていたのであらゆる浮きや剥がれがないか抽斗もチェックしていきます。

貼り付けられている面材も圧着し直します。

脚部です。張り付いていた底板と接着剤をしっかりと取り除き、グラつきを締め直します。

側板の浮きも圧着しておきます。

底板の取付イメージはこのようになります。最下段部は抽斗の底板が見えるようになります。

本体底部分は湿気やゴミが溜まりやすいので、抽斗を開ければ掃除メンテナンスが楽になります。

底に框構造を嵌め込み、正面の面材を圧着して脚部を取り付ければ完成です。

内側から見るとこのような感じです。

あとは抽斗のストッパーダボを入れ込みます。

脚部も角の位置ぴったりです。裏面からビス留め固定して完了しました。

しっかりと自立してます。

残りは全体をクリーニングして抽斗の滑りも確認します。

底板も交換して塗装済みです。リフレッシュしました。

背板の欠けや剥がれも補修済みです。

納品設置をして終了です。

今回ご依頼いただいたビューロー、一見すると状態の綺麗なイギリスアンティーク家具のようですが、驚くべきことにお客様が昔大工さんに作ってもらったという立派な日本製でした。今回修理した箇所以外は特に歪みもなく、綺麗に作られておりました。大切に使われているようなので、立派なアンティーク家具に育っていくのではないでしょうか。

修理の作業を通して、非常に良い物を見せて頂きました。

木材である以上、長く使用されていると環境次第では劣化して破損や不備が出てくるのが木製家具です。されど木材ならば修理が可能です。お困りの際には是非ともご相談ください。