
ラタンの1Pソファのフレームの劣化塗装修理とクッション及び座面の張替えの御依頼です。


全体的に汚れや塗装の劣化で黒ずんでいたり水撥ねのシミが見られます。

ラッカーによる着色塗装が薄膜で施されている程度なので、部分的な劣化を周辺の雰囲気に合わせて下地処理を行い、全体を最後に上掛けクリアにて仕上げます。

ラタンの接合部の割れは、釘留めがされている箇所を起因に発生しています。木材と違い完璧な圧着ができませんが、応急処置として無理な力が掛からない程度に圧着を行います。

塗装の劣化はアームから背にかけての一本の部材に大きく見られます。

素地まで塗装が剥がれています。


まずは荒れた部分を剥離します。

左が下地の状態、右が着色された状態です。

ラタンは樹木というより草木に近い植物ですがこのように主要フレーム部分に使用される部位は堅いです。繊維も木材とは違うので、汚れやシミを研磨でどこまで解消できるかは個体によります。

塗装が完了しました。

オリジナルの濃い部分に少し寄せているので、ビフォーと比べるとわずかにトーンが落ちている仕上がりですが、綺麗な均一感が生まれました。

ラタンの家具はラタンを編み込んでいるので、隙間に埃などが溜まりやすく、またヒモ材の薄いラタンが割れたり浮いたりもします。

クリーニングとダメージの補修はすべからく行っています。

座面ができあがりまいた。座のフレームに金具のツメがひっかかる仕様になっており、張られた座面にクッションを載せる構造です。

張替え前はしなびてくったりしていたのが、ふっくらと見栄えよく生まれ変わりました。


裏面はベルトでクッション性を確保しています。

クッションの背と座を設置したら完成です。

ボタン止めされた白いファブリックがラタンの表情によく合います。





しっかりとした厚みです。




応接間の窓際に設置。

ガラストップのローテーブルによく合っていますね。
落ち着きのある空間にしっくりくる良いソファです。

今回はクッションと座面、塗装の修理作業とほぼ全体修理のご依頼を頂きました。
ラタンの家具も修理を承っておりますので、ご検討の際には是非ともご相談くださいませ。