修理事例

REPAIR

日田工芸 サイドボード 剥離再塗装修理

日田工芸のサイドボードの塗装修理です。かなり長い家具ですが、内部からボルト構造で固定されているので、ノックダウンが可能です。左の部材は台輪です。

天板をつたい、扉の表面まで線のように水染みの白化ができています。

主に表は左右の扉のみにダメージがみられます。

メインはこの天板部分です。

シミ取りも兼ねて剥離剤を使用します。

全体的に塗装がほぼ残っておらず下地の突板に水染みのダメージが広範囲にわたっています。

比較的状態の良いチェスト天板の色味をベースに色味を作ります。

連結部分です。こちらは普段使いでは見えないので、軽くクリーンぐするにとどめます。

抽斗は一見綺麗ですが、側板がキツい部分が合った為、削り調整して滑りを改善します。

剥離剤は最終手段として、まずは弱い有機溶剤で劣化部分を慣らしながら拭き取り、濡れ色をみます。

背面も多少の褪色が見られます。

左右のセクションにこの台輪が取り付けられます。

ボルト穴の位置に乗せて固定します。

内側はクリーニングのみです。

一か所、ネジのピッチが歪んでしまっていましたが、溝を切り直して修復。扉は塗装しやすいように蝶番を外します。

底板の穴が台輪に連結するボルト穴です。

早速養生を行い、天板の剥離と下地処理を行います。思いの外、シミなどはすっかり除去することができ、綺麗な素地が出来上がりました。

左の天板の色味を見本にして調色します。

順調に塗装を進めます。

内部はこのようになっています。しっかりクリーニングと、棚受け穴の状態などをチェックします。

扉のシミも大掛かりな剥離作業不要で、柔らかい研磨剤で表面を慣らして素地着色するだけで違和感なく自然な表情に回復しました。

作業と各種チェックが全て終わったら、納品です。自社便での分解搬送及び現地取付を行いました。幸い納品当日の天気は快晴でしたので、しっかりと準備することができました。

このように棚板が設置されます。

扉も問題なく開閉できます。

天板も落ち着いた光沢が得られ、当時の色褪せた雰囲気が嘘のように全体的な美観を取り戻しました。

正面も染みの面影はありません。

綺麗に仕上げることが出来ました。

チークの家具の多くは、オイルやラッカーの塗装がされています。これらの塗装は水分の影響を大きく受けやすく、すぐに拭き取りをしないと、塗装と木地を傷めやすいのです。

今回、天板は無垢材だったのでしっかりと染みを除去することが出来ました。

またお客様のご家族には猫を迎え入れていらっしゃったので、耐水性のあるウレタン塗装をなるべく厚みを抑えて仕上げています。

大きな家具の修理も、ご希望であれば自社便にてご対応できます。

修理のお悩みの際は是非ともご相談ください。