
無垢チーク材のダイニングチェア、そして突板張りのチーク材テーブル。こちらのセットの修理依頼を頂きました。

構造のガタツキ、座面の張替え、そして劣化した塗装の塗り替えです。

座面の生地が大きく裂けてます。他の椅子も角などに同様のダメージがあります。

笠木がこのように緩いのですが、形状的に叩いて解体するには非常にリスクが伴います。

一見解体しやすいそうなのですが、慎重に様子を見ながら作業を進めます。

ところどころ、修理痕や破損のダメージが既にあるため、解体中の破損率が高まる箇所は事前に確認しておきます。

構造上、左右にしならせることが出来たため、簡単に外せる横貫材だけを外した状態です。ここからは他の材料が細く、接合箇所の面がすいていても、ダボ先の接着剤が効いてるなど容易に叩いての解体が難航していきます。

何とか解体出来た部材で、既に破損があった箇所は先に圧着処理をしておきます。

何とか全て解体が終わりました。ほぼ同じ傾向のガタツキがあったようです。かなり時間がかかりました。ここからは剥離作業を行い、その後組み付けに入ります。

組付けが終わったら、あとはオイル仕上げにて終了です。

座面も無事張り上がり、取付して完了です。

オリジナルよりも艶が控えめのレザーです。



フレッシュになりました。

続いてはこちらのダイニングテーブル。

曲線が多い椅子とは対照的に、四角のテーブルです。使用感による光沢はありますが、塗装が乾いてしまいシミややつれがあります。

剥離剤やシンナーで可能な限りまで洗います。

突板の為、サンドペーパーによる切削で傷を取りきると突板が薄くなってしまうため、深い傷はある程度削る程度にとどめ、パテ処理をします。

オイルは2度塗りますが、トップオイルは研ぎ処理をします。

かなり光沢と色の深さがでました

チークの色味が濡れ色にしっかりと映えています。


納品です。広いリビングの窓際に配置を致しました。

オイルの落ち着きのある光沢が、自然光を柔らかに受けています。厚い塗膜塗装にはない表情だと思います。
チークは油分を多く含む木材の為、オイル仕上げとの相性が良いです。メンテナンスは表面の光沢がなくなってきて、手触りに少し乾きを感じたら、家具用のワックスを塗布して拭き上げるだけで保湿や撥水性、光沢を維持することができます。塗膜塗装と比較して、メンテナンスや塗装直しが行いやすいのがオイル仕上げの良いところです。
張替えも含めて、家具をリフレッシュしたいとお考えの際は、是非ともご相談下さい。