修理事例

REPAIR

アンティーク回転チェア 座面/背 張替え ガタツキ修理

今回は企業様より、会議室テーブル修理のご依頼を頂きました。

合計8台の折り畳み式テーブル。
側板と背板の蝶番に留められたビスを外すと畳むことが出来ます。

合板にメラミン板が張られており、至る部分に欠損や剥がれなどの大きなダメージが見られます。

メラミン板は硬い材料の為、接着剤が切れたわずかな浮きなどの小さな引っかかりがきっかけで、衝撃が加わると割れるように剥がれるケースがあります。

足元は特に、靴や物が強く当たったりするため、気づかないうちに大きな損傷が増えてたりもします。
こうなった場合、浮き部分を接着剤で留め、パテ処理をしてタッチアップ塗装で補修修理する方法を取ることが多いです。

現地でパーツを解体し、搬出を行います。

搬出も一苦労でした。

天板と背板の蝶番に歪みあったり、ビスの溝が舐めていたりしたので、こちらは交換です。

まずはメラミン天板表面は、最後に塗装作業を行うので、汚れ除去も含めて脱脂処理を行います。乾かしたら傷凹みや欠け、また木口部に貼られた突板と木端面に貼られた無垢材の縁材の浮きをチェックして補修していきます。

縁材は無垢なので、しっかりとサンディング処理をします。作業はメラミンとこちらの木部を分けて塗装作業をします。

全8枚、補修処理を行い天板作業を先行させます。着色した木部をトップコート手前まで作業します。

そしてメラミン天板の作業を行います。
軽く脚付け研磨後、プライマーを塗布して更にウレタン塗料を可能な限り薄く塗装します。

工房一杯を使用するため、スペースを考慮しながらローテーションして作業を進めます。

入念に仕上がりをチェックして気になる箇所があれば手直しをして完成までもっていきます。

無事、天板の塗装作業が終了しました。

細かな傷や凹み全てはあまりに数が多く補修しきれないため、光の加減で目立つ大きめの傷だけを補修して全体の雰囲気を綺麗にする方向で作業しました。

表面の褪せも解消されて、無事光沢具合もリフレッシュできました。

納品までの間、棚を作って乾燥を兼ねて保管します。

残るは側板兼脚の板左右、そして背板です。
面材のダメージが多く、特に欠損が目立つのでこちらは全てポリパテ後に木目を描いて補色塗装です。
かなり根気のいる作業ですが、一つ一つ確実に進めていけばさほど苦にはなりません。

お持ち込みいただいた際には生地張替えのみを行いたいとのお話でしたが、生地剥がしやチェックを行っているうちに構造全体にガタツキや緩み、部材に破損が散見されたため、そのままではせっかく生地を張り替えても間もない期間で使用中に椅子自体が破損してしまう可能性が高いとの旨をお伝えし、ガタツキ及び補修修理も追加でご依頼頂く事となりました。今回は金属の回転機構や脚部には問題がなかったので、座面から上の施工で収まりましたが、回転椅子の場合、金属の回転軸など破損の場所によっては修理が難しいケースもございます。
そういった症状も含めてお困りの際には、是非一度ご相談くださいませ。