
G-PLANのバタフライチェア。
今回はガタツキ修理と生地の張替え、そして座面の芯材の補強と破損修理です、

緩いカーブのかかった座面板ですが、主に角部分から生地が傷んでしまっています。


芯材はMDFです。何枚も層を重ねてアールに曲げた形状に成形されています。

ジョイントの緩みはあるものの、接合部の精度が高く、慎重に確実になおかつ塗膜を傷めずに叩いての分解はかなり気を使いました。4脚とも同じような箇所に緩みが出ていました。

古い家具に見られる、ビスの頭を引っかけて固定する構造が、このチェアの座面を固定する構造に使用されていました。

しかし、1枚だけ著しく穴が破損してしまって効いていないものがあり、こちらは部分的に埋木処理を行い、再び穴加工をします。

また曲げのアールの頂点から亀裂が入っているものもあり、MDFという素材の強度を考えるとせっかく生地を張っても長く持たないので、曲げベニヤを増し張りして補強を施します。

積層の接着も切れてしまっていますのでまずは全ての座面を圧着し直します。

広がってしまった穴の位置を墨入れしておきます。
埋木後に、印を頼りに穴あけ加工をします。


このように、ビスの頭を入れたら位置をずらして固定です。


座面の修理が完成したらあとは生地張りです。

無事、締め直しも終わり、生地も張り上がりました。

布生地から白いレザー生地に張替えです。




高級感漂う雰囲気に生まれ変わりました。
今回は高価なヴィンテージのブランド家具の修理をご依頼いただきました。
構造や素材上、一見困難な破損でも一度ご相談頂ければと存じます。
お客様には大変お喜び頂きました。