ハンス・J・ウェグナー ハートチェアダイニングセット FH4601&FH4103 オイル再塗装/締め直し
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今回は北欧家具の有名デザイナー、ハンス・J・ウェグナーが手掛けたハートチェアダイニングセット。こちらの総メンテナンス修理のご依頼を頂きました。
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十年以上前に購入したままほとんど使用されていなかったようで、テーブル脚のダボ接合部の修理を機会に、チェアも併せてぐらつきと塗装されてはどうかご提案差し上げたところ、ご決断くださいました。
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幕板と一体の三本足が天板裏にビス固定される構造です。
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天板はすっかりとオイルが抜けてしまい、乾燥しきっていました。
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脚部のダボ接合部は全て外して締め直します。
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塗装はオイル仕上げで行います。
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取れる染みは可能な限り取り除きますが、突板の状態や雰囲気を削り落とさないよう、ペーパーによるサンディングは避けます。
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チェアも全体がすっかりと乾燥しきってしまい、白いっぽい色味になっています。
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また、座面の突板も剥がれや欠損が角部分に主にみられますので、圧着とパテ処理を行います。
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一脚だけ木栓が欠損していましたので、新たに作り直します。
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テーブルの脚部です。
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一本、ダボが折れてしまっています。ダボの規格が日本では普通では売られていないため、オリジナルのダボ系に合うようにダボを入れ直して締め直しを行います。
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一方チェアは加工の精度がかなり高く、なおかつ構造が特殊なので、根気よくぐらつきを観察しながら解体を行います。
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大体が後ろ足の接合に緩みが多かったようです。
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このように、6脚中2脚を除いて解体が完了です。
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ここからは締めに入ります。
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締め作業が終わったら剥離作業に入ります。
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天板も進行します。
天板の汚れの9割以上は取り除くことが出来ました。 -
ここからオイル塗装に入っていきます。
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ただ塗布を繰り返すのではなく、手触りも考慮してオイル研ぎも行います。
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オイルは乾燥時間が必要なので、吸い込みや光沢の具合を見ながら数日をかけてテーブルとチェアを仕上げていきます。
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しっかりと拭き上げをして乾燥させたら完成です。
ナチュラルな色味で仕上げましたが、明らかに質感が違いますね。 -
天板も抑えられた艶ですが、光沢の具合が非常にチークの雰囲気に馴染んでいますね。
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チェアも綺麗になった物を並べると壮観です。
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チェアも座面がだいぶオイルを吸いましたが、研ぎと塗りを繰り返しました。
天板同様、綺麗な光沢がでています。 -
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あとは締め直した脚を取り付けて終了です。
今回は非常に高価な家具のセットを修理させて頂きましたが、お客様もあまりの変わりように驚きと共にお喜び頂きました。物の質がもともと良いだけに、しっかりと修理してあげれば長持ちする家具もたくさんあります。オイル仕上げは水や溶剤には細かく注意を払っていただくことが大切です。長くオイルを保つためにも、メンテナンス用のオイルの使用も検討されると良いかと思います。