リメイク前

パイン材は非常に柔らかい材料なので、塗料と一緒にベルトサンダーで一気に削り落とします。無論、切削痕の段差に十分に注意します。

劣化による白い染みなどもすっかりと除去され、当て傷もほとんど残らないほど綺麗に剥離ができました。

切り詰めるために、機械で裁断した部分はオリジナル通りにアール加工を施します。ルーターを使用して荒削りをした後、仕上げサンダーからスポンジを巻いたペーパー、最後は手のサンディングで手触りを確認しながら成形していきます。

針葉樹たるパイン材は、繊維が真っすぐなため割れが発生しやすく、ところどころパーツには亀裂がありました。そういった箇所を補修して下地を整えたら、塗装の作業に入ります。

除去しきれなかった傷の箇所は塗料が入ると黒く濃くなってしまいます。かといって着色でごまかすと木目の雰囲気を著しく損なってしまいます。今回は仕上がりの自然さを優先して、オリジナル通りのウレタンクリア仕上げでフィニッシュです。
パイン材のテーブルもこれだけ大きくしっかりした物だと作業もなかなか作業が大変でしたが、ここまで綺麗に雰囲気が変わった様を見ると達成感がありました。
メーカー家具のオールドシリーズは材料も仕様も良質な物が多い気がします。そうした家具が大切に受け継がれていくためにも、リメイクや修理をして使い続ける良さを改めて感じました。お客様も見違えるような綺麗さに、大変お喜びのお声を頂きました。